脊柱管狭窄症!手術以外の治療法は??

「腰部脊柱管狭窄症と言われたけど、できれば手術はしたくない」

「歩くと脚がしびれて痛くなるけど、手術をしないで良くする方法はないの?」

このように悩まれている方は少なくありません。

腰部脊柱管狭窄症は、年齢とともに増えてくる代表的な腰の疾患の一つです。

しかし、腰部脊柱管狭窄症=すぐに手術が必要というわけではありません。

症状や神経の状態によっては、薬や注射、運動療法などの「保存療法」から治療を始めることが多いです。

今回は、腰部脊柱管狭窄症について、手術をしない場合にどのようなことができるのかを解説します。

脊柱管狭窄症とは?

腰の骨の中には、神経が通る「脊柱管」というトンネルがあります。

腰部脊柱管狭窄症は、この神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫されることで、腰痛やお尻、脚の痛み・しびれなどが起こる病気です。

特徴的な症状の一つが、

「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」

です。

これは、

「少し歩くと脚が痛くなったり、しびれたりして歩けなくなる」

↓

「少し座って休むと、また歩けるようになる」

という症状です。

また、腰を反らすと症状が出やすく、反対に前かがみになると楽になる方もいます。

例えば、

  • 自転車なら比較的楽
  • カートを押して歩くと楽
  • 座って休むと症状が軽くなる

といった特徴がみられることがあります。

(日本脊椎脊髄病学会⁠)

原因はなに?

主に

  • 姿勢不良
  • 関節、筋肉の硬さ
  • 筋肉低下
  • 歩き方

が要因となって腰に負担がかかり、脊柱管が狭くなってしびれや痛みが出てきます。

そのため、

  • どの姿勢で症状が出やすいのか
  • どの動きなら症状が出にくいのか
  • 股関節や背中が十分に動いているか
  • 体幹や下肢の筋力が保たれているか
  • 歩き方に問題がないか

などを確認することが大切です。

手術をしない場合の選択肢は?

腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021では、運動療法は保存治療の選択肢として提案されています。

特に、専門家の指導のもとで行う運動療法は、セルフトレーニングだけの場合と比べて、痛みや身体機能、日常生活の改善に有効である可能性が示されています。(腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021⁠)

ただし、

「腰部脊柱管狭窄症なら、この運動をすれば必ず治る」

というものはありません。

症状の出方や身体の状態には個人差があるため、その人に合わせて運動内容を調整する必要があります。

では、どんな運動をするの?

腰部脊柱管狭窄症では、一般的に腰を反らす動作で症状が悪化しやすく、前かがみで楽になります。

そのため、症状を確認しながら、

① 腰や股関節周囲の柔軟性を整える

身体の一部だけに負担が集中しないように、腰だけではなく股関節や背中などの動きも確認します。

② 体幹・下肢の筋力をつける

歩くためには、腰だけでなく、お腹・お尻・太ももなど多くの筋肉が必要です。

症状に合わせて無理のない範囲で筋力を維持・向上させていきます。

③ 歩き方や姿勢を見直す

「歩くと痛いから、できるだけ歩かない」

となってしまうと、活動量が低下し、筋力や体力の低下につながることがあります。

一方で、症状を我慢して無理に長距離を歩くこともおすすめできません。

「症状が出にくい範囲で、どう動くか」

を考えることが重要です。

「痛いけど頑張って歩く」は逆効果になることも

腰部脊柱管狭窄症では、歩き続けることで脚のしびれや痛みが強くなる「間欠性跛行」がみられることがあります。

そのため、

「痛いけど我慢して毎日1時間歩こう!」

と無理をする必要はありません。

まずは自分がどのくらい歩くと症状が出るのかを把握し、

症状が強くなる前に休むことも大切です。

日本脊椎脊髄病学会でも、歩行はできる範囲で行い、無理をしないことが重要とされています。(日本脊椎脊髄病学会⁠)

必ず「手術を避ける」ことができるの?

「手術をしない」ということ自体が治療の目的ではありません。

腰部脊柱管狭窄症の中には、保存療法だけでは十分な改善が得られず、手術が検討されるケースもあります。

特に、

  • 脚の筋力が明らかに低下している
  • 歩行障害が強くなっている
  • 脚の感覚が明らかに低下している
  • 排尿・排便に異常がある

といった症状がある場合には、早めに脊椎を専門とする医療機関に相談することが重要です。(日本脊椎脊髄病学会⁠)

つまり、

「手術をしないために我慢する」のではなく、状態を確認したうえで自分に合った治療方法を選択することが大切です。

「腰だけ」を見るのではなく、身体全体を見る

当院では、腰が痛いからといって、腰だけを施術するわけではありません。

まず、

「どんな動きで症状が出るのか」

「どんな姿勢なら楽なのか」

「歩くと何分くらいで症状が出るのか」

「股関節や背中はしっかり動いているか」

「体幹や下肢の筋力はどうか」

などを確認します。

そのうえで身体の状態に合わせて施術や運動を組み合わせ、

「痛みを減らす」だけではなく、

「症状が出にくく動ける身体」を目指していきます。

まとめ

腰部脊柱管狭窄症だからといって、必ずしもすぐに手術が必要になるわけではありません。

症状や神経の状態によっては、運動療法などの保存療法を選択できる場合があります。

ただし、すべての方に同じ方法が合うわけではありません。

大切なのは、

「自分の症状がなぜ起きているのかを知ること」

そして、

「今の身体の状態に合わせて、無理なく動ける方法を見つけること」

です。

「手術はできれば避けたいけど、どうしたらいいかわからない」

「歩くと脚がしびれる」

「病院で腰部脊柱管狭窄症と言われた」

そんな方は、一度ご自身の身体の状態を確認してみることをおすすめします。

当院では、整形外科や総合病院で15年以上経験してきた理学療法士が、その培ってきた知識と経験を活かし、身体の状態を確認したうえで、施術と運動の両面からサポートしています。

記事監修者

渡部 正史(理学療法士)

Masashi Watabe

渡部 正史

理学療法士(国家資格) 認定理学療法士(スポーツ) NSCA-CSCS PHIピラティス

総合病院・整形外科クリニックで15年以上、難治症例や術後リハビリを担当してきた理学療法士。「原因を正しく特定し、再発しない身体をつくる」ことを信念に、一人ひとりに向き合う施術を提供しています。Life Base 整体&運動ケア(新小岩)代表。